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脊椎関節炎について

  • 2022年3月17日

強直性脊椎炎の重症症例(1857年)

非特異性腰痛と鑑別すべき疾患のひとつに、脊椎関節炎があります。

この疾患は、脊椎関節や仙せん腸ちょう関節などの体軸(体幹部)の関節と手指関節などの末梢(手足)の関節に炎症が生じる疾患です。脊椎関節炎は更に、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患を伴う脊椎関節炎、ぶどう膜炎関連脊椎関節炎などのサブタイプに分類されます。1

脊椎関節炎全体として、特徴的な症状は「炎症性腰背部痛」と呼ばれるものがあります。それは以下のような状態になります。

・安静にしても痛みは良くならない

・運動すると痛みが和らぐ

・夜中に痛みで目が覚める

・痛みが3か月以上続く

この炎症性腰背部痛を45歳以下で発症している場合には脊椎関節炎を患っている可能性があります。しかし、これだけで確定診断できるわけではなく、仙腸関節のレントゲン所見や原因遺伝子のHLA-B27やCRP(炎症)、NSAIDへの反応、家族歴などで総合的に判断していきます。2

また、この疾患は進行すると関節の動きが悪くなり、背中が曲がらない、首が回りにくいといった症状を呈するようになります。

そのため、怪しいと感じる方は早期に診断を受けることを強くお勧めしますし、脊椎関節炎と診断された場合は早期に介入することが重要になります。

治療として、薬物療法(NSAID、サラゾスルファピリジン、TNF-α阻害薬など)やリハビリテーションなどがあり、それぞれ効果が報告されています。3

今回はちょっと難しい疾患の話でしたが、頭の片隅に少し入れておいて頂けると嬉しいです。

 

引用・参考文献

1,脊椎関節炎(SpA) | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR). Accessed March 16, 2022. https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/sekitsuikansetsuen/

2,Rudwaleit M, van der Heijde D, Landewé R, et al. The Assessment of SpondyloArthritis International Society classification criteria for peripheral spondyloarthritis and for spondyloarthritis in general. Annals of the rheumatic diseases. 2011;70(1):25-31. doi:10.1136/ARD.2010.133645

3,Dougados M, Baeten D. Spondyloarthritis. The Lancet. 2011;377(9783):2127-2137. doi:10.1016/S0140-6736(11)60071-8

 

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